A)
答えはイエスです。今も、部分的に利用されはじめていますし、今後その重要度は増していきます。
でも、誤解のないように、自分のサイトをたくさんクリックすれば、上位に表示されるわけではありません。そんなことをしても無駄ですので......。
まず背景です。
Googleにとって、「リンク」が、順位評価の中心的指標であり、まさにGoogleの品質を支える要でした。
しかし、このリンクが不正に利用されるケースが増え、手を変え品を変え、しかも組織的に利用されるケースが増えています。このままでは検索品質そのものがインフレーションを起こしてしまいます。そうならないように、別の判断基準を取り入れていく必要が出てきています。その中で、検索行動のデータの重要性は増しています。
次に事実です。
誰かがGoogleで検索したとき、この検索行動を、Googleはモニターすることができます。検索行動のモニター方法は、三つに分類できます。
1)「検索履歴」
Googleアカウントでログインして、履歴を記録する、「検索履歴」です。アカウントごとの個別の検索行動が取得できます。
2)「一般検索データ」
Googleは可能な限り、Googleで検索したユーザーにcookieを発行しています。Googleアカウントにログインしていなくても、ある程度の検索行動データが取得できる仕組みになっています。Googleの検索結果のHTMLソースコードを見ると、クリックした記録をJavaScriptでモニターする仕組みになっています。
3)「ツールバーデータ」
Googleのツールバーから得られる「ツールバーデータ」です。このデータは強力で、検索行動だけでなく、Google以外のサイトを見たすべてのネットの行動が取得できます。
これら三つのデータを、Googleはすでに取得できます。当然、これだけの情報があれば、それは、有効に利用されていきます。
ただし、Googleが無断であなたの個人情報を盗んでいて監視しているぞ、という話ではありません。検索履歴とツールバーのデータは、あなたが許可をしなければ、データの利用はできません。
また、すべて利用規約の範囲内の話です。Googleの利用規約をよく読むと、こういった行動データを利用しますよ、と書いてあります。たとえば、Googleの「ウェブ履歴」のヘルプなどには、次のように書かれています。
「検索精度の向上やキーワード候補の提示など、より快適な検索機能を提供する目的で、ウェブ履歴からの情報またはユーザーによって提供される他の情報を使用します」
では、その利用の仕方を見ていきましょう。
A)ユーザビリティの向上
まず、Googleは、ユーザビリティを重視する会社ですので、すべてのデータは、ユーザビリティを向上させる目的で利用されます。
B)パーソナライズ
1)の「検索履歴」は、アカウントごとの行動データですので、主にパーソナライズした検索結果を出すために利用されています。人によって検索結果が異なる、という形で現れます。
C)スパムなどの発見と話題性などの時間評価
2)と3)の「検索データ」は、主にスパムの早期発見や有料リンクだけで上位に表示されたサイトの排除や、話題性を見つけるために利用されていると考えられています。
これらのデータからは、検索キーワード、表示順位、クリック数、飛び先URL、そして検索の時期などを知ることができ、ブラウザや言語も取得できます。
どのキーワードで、どのサイトが選ばれたのかが、わかりますし、さらに、それが、「いつ」検索され、増えているのか、減っているのかといった傾向がわかります。
これらを集計することで、サイトの評価、さらに時間軸での評価を行うことができます。
時間軸の方は、なんか急に検索とアクセスが増えたぞ、ということがわかりますし、時間に関係なく、常に選ばれているサイトもわかります。
逆の視点で見ると、上位に表示されているのに、ユーザーがクリックしないか、あるいは、すぐにまた検索画面に戻ってきてしまうサイトもわかります。
僕が書いた「Google Analyticsの直帰率は検索順位に影響しますか?」という記事で、Google Analyticsのデータは、Googleの検索順位に影響しない、と書いています。
しかし、実は、Googleの検索チームは、Google Analyticsの不安定なデータを使わなくても、直帰率をはじめ十分、それ以上の正確なデータが、利用できるわけです。
実は、こういった検索行動の利用というのは、昔から検索エンジンの評価システムの一つとして、何度も議論されています。
単純なものは、クリック数で人気順を決めるという検索サービスで、この手のものは、いくつも出ては消えていきました。クリック数だけを基準にすると、非常に簡単に破れてしまう脆弱なサービスでしかないからです。
今、Googleがこの方向に進むのは、すでに多くの評価指標を熟練させている、その上に、検索行動を取り入れることができるからです。何か一つだけが突出したら、そのデータはおかしい、という判断ができるようになっているため、今までの失敗事例を乗り越えることができるのです。
これらの行動履歴の利用は、少しづつその利用が広がり、気がつかないうちに、SEOにも大きな影響を与えることになるでしょう。
今後は、リンクやサイト内のHTML構造といった従来のSEOテクニックに加えて、ユーザーの関心、興味に応える情報が提供できているか、といった点が、重要になって来ます。
アクセス解析やユーザー理解を深めて、コンテンツやサービスの向上に取り組むことが、とても大切になってくるのです。



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