Q) 複数のドメインの解析をまとめる時に、気をつけることはありますか?

A)
Google Analyticsで複数ドメインをまとめるのは慎重に。

Google Analyticsには、複数ドメインをまとめて一つのサイトとして計測する機能があります。
ドメインを複数持っているから、Google Analyticsでまとめて解析したい
そんな問い合せが、最近僕の周辺で多くなっています。
3年前ぐらいに書いた僕の本「できる100ワザGoogle Analytics」では、この機能を、さらりと紹介しましたが、時間がたつにつれ書き直したいと思うようになりました。
今回、この本の改訂版を出す機会が来たので、複数ドメインについては、かなり修正しています(「できる100ワザGoogle Analytics 増補改訂版」)。

今は、「複数ドメインをまとめて管理する機能は、安易に使わないほうがよい」という結論になっています。複数ドメインをまとめるのが簡単でよいことに聞こえるのですが、実際には作業の負担が大きい割に、場合によっては得るものが少ない取り組みなのです。
特にSEOに取り組む場合は、個別のドメインで確認していく方がよいと感じています。

この機能は複数のドメインを、あたかも一つのドメインのように見せる機能です。そのため、個別のドメインのアクセス状況は、かえって見えにくくなってしまいます。
2つ例をあげてみます。

  1. ドメイン同士の行き来やその効果が見えにくくなる
  2. ドメインごとの検索キーワードや参照元がわからなくなる

もろろんまとめたことで、わかることもあります。
こちらも2つほど例をあげてみます。

  1. 複数ドメインを合わせた重複のないユニークユーザー数がわかる
  2. 複数ドメインを合わせた重複のない新規とリピーターがわかる

両者のメリットを比べると、多くのケースでは、独立したプロファイルで個別のドメインを管理した方が、アクセス解析としては有効です。特に、SEOやSEMを行っている場合は、ドメインごとに検索キーワードや入り口ページを見たほうが、よいでしょう。

では、「複数ドメインを合わせたコンバージョンがわかる」という点はどうでしょうか?
これは、確かによい面もあります。しかし、すべてのコンバージョンを漏れなく解析するための作業負荷は思いのほか大変です。

◆作業その1

AドメインとBドメインをまとめて計測したい、という場合、まず、Aドメイン、Bドメインすべてのページで、Google Analyticsのトラッキングコードを設定しなおす必要があります。以下のような指定をいれます。

<script type="text/javascript">
try{
var pageTracker = _gat._getTracker("UA-12345-1");
pageTracker._setDomainName("none");  ← この部分
pageTracker._setAllowLinker(true);   ← この部分
pageTracker._trackPageview();
} catch(err) {}
</script>

これは大変ですが、まあ、なんとかなります。

◆作業その2

画面に表示されるURL(例 index.html )を http://www.example.com/index.html のように、ドメインまで含んだ絶対パスで表示するフィルタを設定します。

設定の詳細は割愛しますが、このカスタムフィルタは、気をつけて導入する必要があります。
このフィルタを適用した後は、「目標」などで設定するURLも、常に絶対パスで記載する必要があります。これが意外に忘れがちで、コンバージョンがうまくとれないなどのトラブルが出てしまいます。

さらに次の作業が大変です。

◆作業その3

コンバージョンやセッション維持のためには「ドメイン間に張られたすべてのリンクに、タグを挿入する」という作業が必要です。ドメインをまたがる場合に、コンバージョン測定のもとになるクッキーが保持されるための設定です。

<a href="https://www.secondsite.com/?login=parameters" onclick="pageTracker._link(this.href); return false;">リンクをクリック</a>

AドメインとBドメインをまとめて計測したい、という場合、AドメインからBドメインへのリンクも、BドメインからAドメインからのリンクも、とにかくすべてのリンクにこれを入れる必要があるのです。
さらに、ドメインが多ければ、さらにチェックするリンクの数が増えます。
この作業は、実際にはなかなか完璧には実現できません。

結果的に、複数ドメインの定義は、多くの場合、不完全な状態になってしまいます。
もし、完璧にできたとしても、ドメイン間のトラフィックがかえってわかりにくくなって、やっぱり単一ドメインごとの分析に戻したというケースもあります。

最後に二つの留意点を付け加えておきます。

一つ目は、ショッピングサイトなどで決済のASPサービスを利用するケースです。この場合は、別ドメインをまとめようとする前に、ASP側の完了ページを、自社ドメインに戻せるか確かめてください。もし、自社ドメインに完了ページだけでも戻せれば、トラッキングコードを変えることなく、コンバージョンが測れるようになります。
最近のショッピング決済やフォームのASPサービスは、これができるものが増えているようです。

もう一つは、二段トラッキングコードです。
少し高度な手法で、Google Analyticsのトラッキングコードを二段にして張るケースです。
ドメインごとに独立した解析が行え、かつ、複数ドメインをまとめた解析が行えます。両方の要件を満たす方法です。
しかし、この方法も安易に導入すると、かえって混乱を生みますので、安易に使ってはいけません。また別途機会があれば、詳しく解説したいと思います。

いずれにしろ、「複数ドメインになっているのは内容やターゲットが別だから」という場合が普通です。そういったドメインの場合、多くの場合、独立したドメインのまま、解析を進めるのがベストです。

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