ゴールに近づくためのKPIじゃないと!

ankさん主催のアクセス解析の私的勉強会「解析しないと!」(2009年12月14日開催)に出席した。
その詳しい内容や当日のプレゼン資料はこちら

ankさんは、アクセス解析についてのブログなどを運営し、過去に講演もお聞きしたが、いつもわかりやすく、全体像と細かな点の両方がバランスよく提示されて、学ぶところがすごく多い。
今回の勉強会でも、すごく得るものが多く、1時間はあっという間に過ぎた。
そのポイントを一つだけ僕なりに解釈して書いてみたい。

この勉強会の主なテーマの一つは、KPIだった。KPI=Key Performance Indicator。アクセス解析で重要となる指標のことだ。
さて、僕にはこの「KPI」が、すとんと落ちていない。わかっているのだが、ちょっと居心地が悪い感じが、いつも残っている。

たとえば「主なKPIとして有効なのは平均PVなどです」なんていう文章に出会ったときだ。
だって、ユーザーがサイトで迷っているから多いかもしれないじゃない?」とか、誰かが言い始めると、もうKPIを何にしていいのかわからなくなる。
平均PVは多い方がいいのか? 少ない方がよいのか?」という話で迷ってしまう。

しかし、今回の勉強会では、その辺がわかった。わかった気になっただけかもしれないが、今は「わかったぞ!」という気持ちになっている。

ankさんからもらって、僕の中で響いたのは、以下の二つの言葉だ。

  1. (KPIは)サイトを目標に近付けるために定点観測するための指標
  2. KPIは指標であっても、指標は必ずしもKPIではない

あ、その通り! と僕は心の中で叫んでしまった。
ankさんのプレゼンでは、目標(ビジネスゴール)と KPIの間に、もう一つKBRという僕にとって新しい言葉が出てきた。KBR= Key Business Requirement 。
最初はなんだろう、と考えていたが、少しづつ自分の中で消化していった。

図では、「KPI → KBR → 目標」という順番で下から上に描かれていた。

KPI → KBR → 目標

ここから突然サッカーの話にいく。

サッカーはご存知のようにゴールを入れて勝つスポーツだ。
あるチームの教え方は、たとえばこんな感じだ。
みんないいか、サッカーはゴールをたくさん取ったら勝つんだから、ゴールをたくさんとろう。思い切ってシュートを打っていこう。ゴールはシュートを打たないと入らないぞ
そんなわけで、シュートを打つのを倍にするという「指標=KPI」ができたりする。

これは、アクセス解析でもよくある場面だ。
サイトの問い合せを増やすには、ページビューを増やすこと。まずページビューを2倍にしよう」となる。これではうまくいかない。

もう少し別の教え方にチャレンジしてみよう。
ゴールに近づけるためにどうするか、そこんところから真剣に考える。
そうして、あるコーチがたどりついた、ゴールを奪うための方法は、次の3つだ。
高い位置でボールを奪う」「速いパスを前線に通す」「一人交わしてシュートを打つ

これが、今回の講義の肝になる「KBR=Key Business Requirement」なのだが、KBIは僕の理解では、ようするに「ゴールに近づくために抑えるべきポイントまたは戦術」だ。

この3つのKBRが決まると、じゃあ二つ目の「速いパスを前線に通す」の部分が、もう少しブレークダウンされて技術に落ちていく。
正確で速いキックを蹴る」と「速いパスを正確にトラップして止める」という分解ができるようになる。

ここまで来ると、チームの練習や習得する技術も自ずと決まってくる。
パスのスピードを上げても正確に蹴れるようにして、そのパスをぴたっと止める練習を実践していく。
これを徐々にレベルアップしていく。互いが動きながら、練習していき、やがて人数を増やしたり、敵チームを作ったりして取り組んでいく。
後は、チームの選手たちも、同じようにゴールをイメージしながら、速いパスとトラップの練習を積み重ねていけばよい。
こうして、だんだん速いパスを通してゴールに一気に近づくチームができあがっていく。

この習得する技術に落とし込んだ部分が、KPIとなる。
単純に「足元がうまい」選手や「パスが正確」も同じ意味だが、ゴールから逆算したかどうか、が実はとても大切な肝だ。
同じ「技術」なのに、ゴールを意識しているかしていないかで、チームのレベルに雲泥の差が出る。

アクセス解析の例に落としてみよう。

ここに「FAQ中心のカスタマーサポートサイト」がある。
このサイトには「FAQサイトでユーザーの不明点を解決する」というゴールがある。
KBR、つまりゴールに至るために抑えるべきポイントを考えてみよう。

訪問者にFAQをできるだけ見てもらう」とか「検索するとFAQがぴたっと出てくる」とかになるだろう。
そうやって導き出すと、「セッションあたりのFAQ到達率」や「サイト内検索のヒット率」なんかが、KPIとして落ちてくる。

これらKPIの一つ一つは、どこにでもある指標だが、ゴールから逆算して導き出しているので、とてもしっかりと僕には響く。
指標をよくするために、つまり上手になるために、工夫をしてサイト改善を重ねていく。
まさに「(KPIは)ゴールに近づくために定点観測するための指標」なのだ。

同じ「平均PV」という言葉を使っても、でもゴールから逆算している指標か、そうでないかで、ウェブの運用チームの中で全然意味や活かし方が違うのである。
KPIは指標であっても、指標は必ずしもKPIではない」なのだ。
この言葉の深さは、今でも身にしみる。

今回、素敵な勉強会を開いてくれたankさんと、この場を作り上げたECナビ様はじめスタッフの皆さまに深く感謝したい。

今回は、勉強会が開かれるまでのTwitterのプロセスも、とてもライブ感があった。

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